表現のつまみ食い

表現のおいしいところをつまみ食いするエッセイです。

ユーザーが求めているものとは(投稿数1000を越えて)

 わからない。自分のキャラクター、今何を欲しがっているのか、わからない。Instagramのユーザー数、いいねの数は増加傾向にあるが、わからなくなってきた。

 でもこれはいいことかもしれない。自分が大切にしているものはなにか、そして今後の活動には何が必要なのか。既存のアイディアの認識と新しい課題の発見する機会かもしれない。投稿数1000件目を記念して、この特集でお送りする。

 

当たり前のことだからこそ美しい

 「当たり前の光景は他では珍しい。そして当たり前のことだからこそ美しい」。

 ルールや習慣。そういった日常はどこに行っても存在する。ただ見慣れてしまうとその光景に対して違和感が薄れてしまう。

 そんな日常に違和感だと気がつく場面がある。旅行とか行くとどうだろうか。エスカレーターの乗り方や列車の待ち方といった違いに驚くことはないだろうか。日常と非日常は表裏一体をなしており、当たり前の光景は他では珍しかったりもする。

 また日常的なことは珍しいだけでなく、美しさも潜んでいる。これも日常と認識してしまい、違和感だけでなく美しいも見逃す、もしくは気づかなかったりもする。整列乗車の光景に何も感じず、ただ当たり前のように通り過ぎてしまう。でも見方を変えたら、統一感があって美しいと思えないだろうか。そんな視点を変えたときに感じた美しさ、それが当たり前のことだから美しいのだ。

 日常ではありながらも、客観的に観察して記録する。そんな視点からさらに観察して、そこに潜んでいる美しさはないのか。それが被写体との向き合い方で、今一番大事にしていることだ。

 

Instagramの新システム

  既に半年ほど経ったが、Instagramに新しいシステムが登場した。それが"インサイト"機能だ。

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 ユーザーの意向を見ることができる機能だ。これにより一部推測数値ではあるが、よりデータが可視化された。今回はいいね!の数、リーチ数、フォロワー外(以下、F外)の数を参考とした。

 まずいいね!の数。これは投稿に対しての反応を示したものだ。この数値だけは他ユーザーも見ることができる。

 つぎにリーチ数。これはアクセスした数になる。推測数値ではあるが、表面化されていなかった貴重なデータだ。

 F外の数はリーチ数の中からフォローしていないアカウントの割合を示したものだ。簡単に言うと常連ではない方々の割合になる。

 これらのデータからユーザーの傾向をみていく。

 

新規ユーザーが少ないデータ

 年々変わっていく投稿スタイル。統一感の無さから2020系だけにして、最近は他の私鉄の投稿も行うようになった。スタイルの移行期で判断に悩むと思った。

 でも集計してみるとあるデータが浮かび上がった。実は既存スタイルである2020系の投稿だが、F外の割合が少なかった。投稿の統一感はあるが、常連の方々で占める結果だった。

 でもまずこちらのデータからまとめた。確かに出入りは少ないが、いいね!の数が上位に来るものがあった。具現化されていないコンセプトを理解したうえでフォローしていると思う。コンセプトを大切にしながらも、ユーザーが何を求めているのか。それが自分のスタイルにしたいと思い、こちらのデータからまとめた。

 

当たり前の中に輝く1枚

 日常的な投稿を求めている常連の方々。彼らは投稿の中から何にいいね!をしてくれるのか。ひとつわかったことがある。それが斬新な切り口だ。

 以前にも口にしてきたこの切り口。クライマックス、つまり美しい風景などのことだろうと思った。夜が始まりそうな夕闇の空や綺麗な雪化粧した富士山の写真。これらには自信があり、データを見返した。ただ数は稼げているが、中の上程度だった。

 一方、合間に撮れそうと思って撮った写真。例えばエスカレーターで上りながら撮った一枚や出発した駅を背景に写した一枚。実はこれらの投稿が意外なことにいいね!の数が上位だった。

 創作者とユーザーの意向は本当に一致しないとよく言われるが、まさにこのことであろう。否定をしたいがデータが出てしまった以上仕方がない。

 そして切り口は必ずしも美しいものだけではない。その手はあるが、誰も撮らないようなもの。そんなベテランに勝てるような発想をユーザーは求めているのだろう。

 

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5/22投稿 エスカレーターで上りながら撮影した一枚

 

 それとは別に何もしなくてもいいね!を稼げる写真がある。それが編成写真だ。編成を1枚に収めた写真のことを編成写真と言い、鉄道写真の中では最も目する写真だ。まさに王道のカテゴリーになる。

 誰もが撮るが、誰もがいいね!を押してくれる。輝かせるには手っ取り早い一枚かもしれない。

 

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6/21投稿 鉄道写真の王道、編成写真

 

ユーザーの入口とは

 自分のコンセプト、既存ユーザーが求めているもの、これら二つを分析してきた。ではユーザーはどのような投稿を入口としてやってくるのか。今度はF外の数を参考にしてみた。

 まずタグにある。Instagramではユーザーの投稿はタグ通じてのみ共有することができる。二子玉川秩父といった人気スポットでの撮影は特にF外の割合が高かった。

 もうひとつが珍しい列車である。鉄道系ユーザーだと特に新型車両の動向は気になるので、こちらの投稿も良さそうだ。他にも名称がある列車や特急列車など通勤電車とは違った車両も知名度があり、いいね!の数も増える。

 タグだけで新規ユーザーを探す故に、この傾向が強くなるのも無理はなさそうだ。

 

やりたいことは続けたいこと

 ユーザーを増やすためにコンセプトを白紙化、タグに特化した投稿、このことを思い浮かべるが、それを行うつもりはない。全く変えないつもりはないが、あくまでも自分の出来る範囲から観覧ユーザーを増やすことである。

 またユーザーを増やすことが目標ではない。新規ユーザーは投稿を知って貰えるきっかけづくりであり、具現化されていないコンセプトを気に入るユーザー、これを増やす過程に過ぎない。現状の最終目標は常連を増やすことになのだから。

 それに自分のやりたいスタイルで、共感できる同志が増えればいいなぐらいとは思っている。これが本当に続けたいことでもあり、やりたことでもあるのだから。