表現のつまみ食い

表現のおいしいところをつまみ食いするエッセイです。

おわりが見えない富山地方鉄道

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電鉄富山に停車するステンレスの東急車

 

 わざわざ富山へ行く意味あるの?

 富山、特に富山地方鉄道(以下、地鉄)に2ヶ月ペースで訪れているが、この答えに悩んだ。

 

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大井町線田園都市線で活躍していた地鉄に譲渡された車両

 

 東急の譲渡車両がいる。東急は積極的に地方鉄道への譲渡を行っており、再会できるのも魅力のひとつ。地鉄もそのひとつで、東急の車両がいないか探してしまう。

 地鉄に来た東急の車両が好きか。そう言われると怪しいところだ。東急で活躍していた頃を振り返っても、これといった思い出がない。理由のひとつかもしれないが、確信をつく答えとはいえない。

 

 路線はどうだろうか。実は地鉄の路線総延長が地方私鉄では長く、東急とほぼ同じ(地鉄100.7km、東急線104.9km)。街を結ぶ通勤電車から北アルプスの麓を走る特急電車など幅広いラインナップとなっている。

 車両運行に関しては特に制約がない。観光列車が通勤特化の路線を走ったり、特急券を徴収する車両が東急の車両になることもある。

 100km近くの路線を縦横無尽に走り回り、かつ車両運行の制約も特にない。東急の車両だけ探すのもこれまた一苦労だったりする。加えて区間ごとにテーマが違い、路線の解釈が訪れる度に変わっていく。サグラダ・ファミリアのように完成の見えない作品をひたすらつくっていく、その感覚が確信をつく魅力かもしれない。

 

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立山駅前の踏切を通過する東急車 

 

 まだ知らない富山地方鉄道。その奥深い富山を知りたい。これが何度も行ってしまう理由かもしれない。