表現のつまみ食い

表現のおいしいところをつまみ食いするエッセイです。

スキップとクリスタル(キャロル&チューズデイ 第6話)

 このキャラクターはいつ出てくるのだろうか。そんなキャラクターが2人とも出てきて、重要なセリフを残していった。

 

10人から10万人

 ライブハウスでの演奏を終えた2人。10人規模の少ないライブだったが、いい知らせが飛び込んできた。

 なんと10万人規模のライブでの出演が決まった。ただし有名ミュージシャンの代理出演、おまけに時間があると思いきやライブは翌日だった。いきなりの大きなライブでギリギリまで練習をしたものの、緊張がつきまとっていた。

 一方、出演を辞退しようとしていた有名ミュージシャンだが、ライブ会場に到着したようだ。ここに来て何やら怪しい雰囲気になってきた。

 

スキップとクリスタル スキップ

 「どんなミュージシャンだって、こんな音を出したい。そう思って音楽をはじめたはずだ」

 「だが、大抵の奴らはいつの間にかそれを忘れちまう。いろんなものに目が眩んで、最初に慣らしていた音、そいつを思い出せなくなっちまうんだ」

 「お前らはまだそれを持っている。そいつをずっと忘れるな」

 迷い込んだ2人は怪しい楽屋に入り込んでしまった。怖い雰囲気のなか、怖そうな人たちに囲まれた。その中から怖そうな大柄な男、スキップと出会った。

 彼は2人の動画を見たのか、見覚えがあったようだ。怖そうな印象だったが、彼の口からはどこか2人を思うような台詞が出てきた。それは駆け出しのミュージシャンである2人がこれから先のことについて告げるようだった。この台詞が出てくるということは、彼は変わってしまったのだろうか。

 

スキップとクリスタル クリスタル

 「あの状況でよく挫けなかった。憎しみの声にも一歩も引かなかった。とても素敵だった」

 「あなた達の歌はきっと届いている。その歌声を受け取った誰かが、きっといる」

 「私もそのひとり」

 代理出演とはいえ、会場は荒れていた。ブーイングやゴミを投げつけられたりしたと暴動が起きていた。それでも2人は歌い続けた。

 結局本命の有名ミュージシャンが出てきて、2人はステージをあとにした。歌い続けて耐えたものの、終わった頃には悔しい気持ちでいっぱいになっていた。

 そんな中、2人の憧れであるクリスタルが声を掛けてくれた。どんなに悔しい状況でも憧れの人にこんなセリフをいただけたのは嬉しい。音楽をやめられず、続けてしまうのもこういうものがあってこそだと思った。

 

 笑って誤魔化していたが、今回は最も辛い場面だった。そんな中スキップとクリスタルとの出会いで2人をより大きくさせた。

 一方であの2人の関係が気になった。何故あの関係を選んだのか、そんな話は来てくれるのだろうか。