表現のつまみ食い

表現のおいしいところをつまみ食いするエッセイです。

THE iDOLM@STER MILION LIVE! THEATER DAYSの世界

アイドルマスターミリオンライブ(以下、ミリオン)が4周年を迎える。その一方で新しくアイドルマスターミリオンライブシアターデイズ(以下、ミリシタ)のサービスを開始した。

ミリオンは当初携帯ゲームGREEのアイドル育成ゲームだった。その要素を生かして流行りのリズムゲームを取り入れたアプリゲームがミリシタになる。どちらもアイドルの成長は配信されるストーリーを通して見ることが出来る。

 

 

ミリシタでは3つの方法で配信されたストーリーを入手することができる。プレイヤーの経験値に応じたもの、収得したカードに添えられたもの、ランキング形式のイベントに参加して貰えるものとなる。中でもイベント限定のストーリーは重要だと考えている。

イベントは毎月2回ほど開催される。およそ一週間の期間中にミリシタ内で先行配信された楽曲を遊び、その報酬として産出されるポイントの累計に応じてストーリーが入手出来る。ユニット結成前のプロローグとライブ終了後のエピローグを含めた全8話構成となる。

ストーリーは新しく編成されたユニットで新楽曲を披露するのを目標とする。ユニットは基本5人で編成され、仲間同士でライブに向けた練習を行う。

練習を通してキャラクターそれぞれの問題が浮かび上がり、これがユニット内の騒動に繋がる。仲間たちはお互いの問題に気が付き、解決に向けて行動する。騒動が沈静化する一方で仲間を知り、ユニット内の絆がより深まる。そして結束がより強固となり本番を迎える。

 

このイベントで先行配信された楽曲は基本的にGREE時代に発売されたものが使用されている。連動するストーリーもミリシタでリセットされたようにGREE時代に配信されたものを使用している。ミリシタ誕生時にメンバーが増えたがユニットメンバーの変更は無く、GREE時代と変わらない5人で行う。唯一変わったところは尺の都合でストーリーが再編集されているが大筋は変わらない。

配信されてから3年の月日を経たストーリーや楽曲はどこか懐かしかったであろう。馴染みある楽曲が遊べて嬉しい。でも何故使い古されたストーリーにこだわったのか。

 

 

これは楽曲とストーリーがミリシタによってより密接な関係になったことに隠されている。

そもそもイベントはランキング形式になっている。ランキングに応じた報酬を賭け、期間中は累積ポイントを使って全国のプレイヤーと勝負する。報酬欲しさに自然とプレイ回数が増えていき、気が付けば使い古された楽曲をゲームで知ることになる。さらにミリシタで縮小された楽曲に物足りずCD購入する流れがよくある。

楽曲を聞いていくうちにメロディーだけでなく歌詞も気になって来るであろう。実はイベント楽曲の歌詞にはイベントストーリーに通じるものがある。先行配信された「Shooting Stars」や「ジレるハートに火をつけて」といった楽曲。それぞれの歌詞に注目すると仲間やキャラクターの葛藤を思わせる単語が歌に込められている。この部分がドラマの痕跡としてイベントストーリーに繁栄されていることが分かって来るであろう。

こうした相乗効果はアイドル育成ゲームだけの携帯ゲームでは成しえなかった。ある意味両方のおいしいところを取り入れたミリシタだから出来たものである。

 

 

こうして既存のイベントストーリーを新しい形で配信された。それはどこかミリオンがミリシタに完全に移行するように見えた。

それもそのはず10月にGREEでのサービス終了の告知が出された。12月には相変わらずアイドルらしからぬイベントが行われ、これが最後のイベントとなった。残すは3月の配信停止だけ。

このまま本当にあの狂ったようなミリオンは終わってしまうのか。そう心配する声も聞こえてくる中、ミリシタは初めて年を越した。

 

 

「50人のアイドル、5年の活動記録」,『THE IDOLM@STER MILION LIVE! MAGAZINE vol.3』,一迅社

「「プラチナスターライブ」ユニット紹介」,『THE IDOLM@STER MILION LIVE! MAGAZINE vol.3』,一迅社