表現のつまみ食い

表現のおいしいところをつまみ食いするエッセイです。

諦めきれない音楽の道(キャロル&チューズデイ 第1話)

 「魔女の宅急便」のキキだ。キキより4歳年上の17歳だが、子供から大人になろうとして、家畜車に乗って移動。見覚えのある始まりにそう思った。

 でもそんな冒険が見たい。そんな気持ちが次第に高まってきた。

 

 物語はチューズデイの家出からはじまる。彼女はギターを背良い、家族には内緒で都会へ向かう。わからないことも多いが、音楽の道を目指すことを決めていた。

 都会に行けばなんとかなる。そんな勢いで着いたが、苦難の連続だった。途方に暮れ帰ろうとしたこともあった。

 そんなとき、路上での演奏に心を奪われていた。いつしかその演奏家と打ち解けあい、共に演奏を行う仲になっていた。

 それがもう一人の主役、キャロルとの出会いだ。彼女はキーボードを担当している。都会には長く住んでいるのか、それなりに馴染んでいた。

 

 二人はバラバラだ。楽器、家族、服装など、それぞれ異なっている。

 でも音楽の道を目指していることは同じだ。音楽が持つ力もお互いに知っていた。互いが親しい仲になったのも、そんな力に魅了されたからであろう。

 ただ道は険しい。辛いときが何度もあった。故郷に帰ろう、やめてしまおうと弱音も出てきた。

 それども諦めきれなかった。音楽の力に魅了された今、この道を選びたい。しがみつくような強い意志があり、彼女達の原動力なのであろう。

 

 こうしてキャロルとチューズデイは同じ道を目指すことを決めた。これからどんな未来が待っているのか。そして彼女達の音楽をはじめたきっかけとは。細かいことが気になって仕方がない。