表現のつまみ食い

表現のおいしいところをつまみ食いするエッセイです。

夢があるからこそ(少女☆歌劇レヴュースタァライト)

たまたまニコニコ動画のランキングを周回していた。ちょうどアニメ作品の入れ替わりだったため、見逃したアニメを探す機会にもなった。

そして面白いものを発見した。男性には馴染みがない歌劇だが、先行きが気になるおもしろさがあった。気が付けばはまっていた。「少女☆歌劇レヴュースタァライト」という作品に。

 

 

主人公 愛城華恋(以下、華恋)は歴史ある聖翔音楽学園に入学した。この学園では未来の演劇業界を担う才能を育成するべく創立された。その放課後に秘密裏のオーディションが開催されていた。オーディションのトップスタァを目指し、学生たちは戦うことになる。

学園内には様々な人物が在籍している。友人と入学する人や演劇に興味があって入学する人もいる。子役時代から演劇に励む人や両親が演劇に携わるサラブレッドといったエリートもいる。特に生まれ持った才能と称されるエリート達はどこか人を引きつけるような美しさがある。

 

一方で華恋は授業をただこなすだけであった。朝は決まって寝坊して、一人で起きることが出来ない。授業中は居眠りで成績もあまり良いとは言えない。生活から察すようにどれもいいものとは言えない。

いつからなのかただ下から上を見上げる存在になっていた。それだけでなく学園のトップは自分とは別の存在であると認識し始めていた。自分で先行きを不透明にしていくようにも思える。

そうしてどこか自分の夢を忘れていった。学園に入るのが目標の過程だが目標になり、いつしか夢を見失うような日々を過ごしていた。

 

そんな華恋の前にひとりの転入生との再会がきっかけで物語は始まる。その彼女 神楽ひかり(以下、ひかり)はイギリスからの転入生であり、華恋の幼馴染であった。転入前もイギリスの演劇学校に通っており、その実力は確かなものだった。そして華恋も彼女の演技を称賛する一人になっていた。

ひかりには秘密が多い。口数が少ないのも転入した理由もそうだが、何故かオーディションにも参加していた。

入学時から在籍していた華恋はひかりを通じてオーディションの存在を知ることになる。当初は選考から外れていた彼女だったが、急遽参加する運びとなり、つたないながらもがむしゃらに進むこととなった。

 

そんな初めのがむしゃらだけではどうにもならず、時には挫折することもあった。届かない大きな壁には流石に敵うことはなく、手も足も出なかった。そして自身の力不足を思い知らせれることとなった。

ただ挫折だけで終わることはなかった。力不足なことを受け入れるだけでなく、華恋自身が成長するきっかけになったようにも見えた。それは華恋自身だけでなくひかりがいたからこそだと思う。

こうして夢を思い出すように一歩ずつ進もうとし始めた。その行動はどこか自身に足りないものを探すようにも思えた。夢に向かってオーディションに挑み続ける一方で、華恋もまた変わり始めた。どこか昔とは別人のようにも思え、サラブレッドも警戒し始めていた。

そうしていつか華恋が語ったあの夢に近づこうとしていた。そしてひかりに誓ったあの約束を叶えるために。

 

 

今まで強くなることを語ってきたがそれだけでは強くなれない。強くなるには夢がある。その夢があるからこそ強くなっていく。

ただ道のりは相当なものであろう。どうして夢を叶えたいと思うのか、心が折れるような挫折もあったりする。ただそういう機会を手にするのは、困難をいくつも乗り越えたからこそだと思う。